ハンボクを構成する衣と各部の名前
チョゴリ(上衣)とチマ(スカート)、パジ(ズボン)、トゥルマギ(外衣)がどう一揃いになるのか、そしてハンボクの各部分が実際に何と呼ばれているのかをまとめました。
ハンボクは部品の多い衣服に見えますが、一揃いを成す衣そのものの数は多くありません。韓国民族文化大百科事典は、伝統ハンボクをチマ(スカート)、チョゴリ(上衣)、パジ(ズボン)、トゥルマギ(外衣)に、チョッキとマゴジャを加えたものと定義しています。後の二つは十九世紀末に加わった衣です。それ以外に耳にする名前は、そのほとんどがこれらの衣のどこかの部分の名前です。
一揃いを成す衣
- チョゴリ(上衣)。胴と両腕を包み、前で合わせて着る丈の短い上着です。年齢や性別を問わず、誰もが身につけます。
- チマ(スカート)。女性の巻きスカートで、幅広く裁ち、やわらかなひだを寄せています。
- パジ(ズボン)。男性のズボンで、脚まわりにゆとりがあり、足首で閉じます。
- トゥルマギ(外衣)。すべての上に羽織る丈の長い外套です。
- チョッキとペジャは袖のないベスト、マゴジャは袖があり衿のない、ボタンで留める上着です。いずれもチョゴリの上に重ねる層です。
チョゴリの各部の名前
- キル(身頃)。胴を成す前後の布です。
- キッ(衿)。首まわりを縁取る衿の帯です。
- トンジョン(白衿)。キッの上端に沿って縫いつける細い白布です。
- ソップ(衽)。キッの下にあって、前身頃を互いに重ね合わせるための布です。
- ペレ(袖下の曲線)。袖の下側の線で、魚の腹のようにふくらんで湾曲しています。
- コルム(結び紐)。前を閉じておく二本の紐で、右が短く左が長くなっています。
- クットン(袖先の別布)。手首の袖先に別色の布を当てた部分で、女性のチョゴリに見られることがあります。
スカートとズボン
チマは、スカートの布幅と腰帯、腰紐からできています。スカートでもズボンでも、その最上部に回した帯をマルギ(腰帯)と呼びます。パジはマルポク(中央の布)とサポク(脇の布)と呼ばれる布を腰帯に接いで裁ち、裾は足首でテニム(足首紐)という紐を使って絞ります。結んだ裾の上には、すねに巻き上げて膝の下で結ぶ筒状の脚絆であるヘンジョンを重ねることもよくありました。
いちばん外の層
トゥルマギという名は、周囲がぐるりと塞がっているという意味を帯びており、漢字では周衣と書きます。ム(脇布)と呼ばれる布を両脇に足して開いた側面を塞ぎ、裾は足首から20〜25cmほど上、ふくらはぎの半ばあたりに落ちます。マゴジャは一般に1885年に遡るとされます。興宣大院君が清での幽閉から戻ったとき、満州式のマグェ(馬褂)を着ていたからです。(韓国民族文化大百科事典のマゴジャの項は1887年としていますが、大院君の釈放と帰国は1885年とされています。)チョッキは、西洋の衣服が入ってきた1900年前後に現れたと考えられています。
着る順序と合わせる向き
- 女性は、ソクパジ(下ズボン)とソクチマ(下スカート)、次にポソン(足袋)、それからチマ、最後にチョゴリの順です。
- 男性は、ポソン、パジ、チョゴリ、チョッキ、マゴジャ、トゥルマギの順です。
- チョゴリは、左のソップが右のソップの上に重なるように合わせます。これを右衽(ウイム)といい、右の布が内側に入って、合わせ目の線が着る人の右へ向かうことを意味します。逆の左衽(チャイム)は、亡くなった人に衣を着せるときにだけ用います。
- コルムは、右の短い紐を左の長い紐の上に重ねて一度結びます。下になった紐を折って輪をつくり、短い紐をその周りに一巻きして、端を輪の間から引き出します。
チマの開きは背中側に来ますが、外側の布をどちらへ巻くかは時代と階層によって異なり、いまも資料によって説明が分かれます。名前も順序も、一度着てみるのがいちばん早く身につきます。